【マンガ】BLUE GIANT
BLUE GIANTの感想
おもしろいとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。
「BLUE GIANT(ブルージャイアント)」
仙台に住む高校生がテナーサックスを手に、ジャズで世界一のサックスプレイヤーを目指すストーリー。
これが完結すると「BLUE GIANT SUPREME」に続くのだが、それにしても10巻で完結させるまとめ方も素晴らしい。
そして何より、マンガなのに「音楽」が聴こえてくるような錯覚を覚える表現力が最高だ。
たった10巻でこれだけ読者の感情を揺さぶる展開を入れることができる要約力とでもいうべきか、見せるべきところの取捨選択の積み重ねの賜物だと思う。
1巻1巻、涙なしには読めない。
なぜ涙なしに読めないのか。
それは、登場人物の心理描写が丁寧且つ生々しく描かれているからだと思う。
スポーツを題材にした漫画では自身のパフォーマンスやチームメイトとの関係について、心の中で起きるいくつもの葛藤が描かれることが多い。
武道なんかもそうだろう(バガボンドの心理描写は秀逸)。
そして音楽もまたメンタリティーが重要な芸術であり、その痛いほどの心の葛藤の描写とそれを乗り越える様に読者(少なくとも私は)の生き方を投影しどこか共感してしまうんだと思う。
会計士の日常も芸術なんだ!なんていうつもりは皆無だが、芸術の世界が自分が生きる日常と全く別の世界だとは思えない。
それにしてもここまで感情を揺さぶられたのは、映画、ドラマ、小説如何の媒体を問わず久しぶりだ。
年を重ねるたびに感動することから遠ざかっている気がしていたが、名作に巡り合うとこれだけ感動できるものか、と新鮮な気持ちにもなった。
BLUE GIANT、まだ読んだことない人は是非読んでみて欲しい。
※言うまでもないですが、今日はジャズを聴きながら書きました。