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【株式会社スタメン】投資のための企業分析
IPO株はチャンスの源泉
持論ですが、IPOから間もない企業で株価が低迷している企業はチャンスの源泉と捉えています。
そもそもIPO間もない企業の株価はボラティリティが大きいし、若い企業であればあるほど成長性も見込めます。
日本株に限りませんが、IPO直後となれば当然まだまだ成長段階、あるいはその一歩手前にある企業が多いわけですが、ここでどのような判断かはわかりませんが、大きく売られ上場後初値よりも大幅に値下がりする銘柄が少なくありません。
日本株の有名どころで言えばメリカリや、米国株で言えばjumia technologiesが挙げられます。
現在進行中で株価が下がっている銘柄にはまぐまぐ(日本株)やC3ai(米国株)があります(まぐまぐは創業から20年以上経過しているので成長可能性については懐疑的ですが)。
そしてそういった株の1つに、今日の本題である「株式会社スタメン」があります。
株式会社スタメン
株式会社スタメンはエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」、及び、オンラインファンサロン「FANTS」を運営する2016年に事業を開始した会社です。
ホームページはこちら。
「TUNAG」は企業のエンゲージメントにフォーカスした事業であり、「FANTS」はオンラインファンサロンの運営ということで、非常に現代のトレンドにマッチしている事業内容と言えます。
株価とチャート
現在の株価とチャートはこちら。
2020年12月15日に上場し、初値は2,051円でしたが、2021年4月13日現在株価は1,266円と低迷しています。
・・・低迷していますが、2021年3月頃には株価が下げ止まり上向いてきていることがわかります。
これは2020年12月決算の影響が大きいと思われます。
HPにて公開されている決算説明資料を確認してみます。
業績ハイライト
2020年12月期には、売上高が前年比56.6%と大幅に増加しており、さらに営業利益、経常利益、純利益すべてにおいて黒字を達成しています。売上は金額にして6億円程度なので企業規模はまだまだと言えますが、成長率は素晴らしいですし、IPO実施年に黒字化されているのは非常に期待が持てます。
続いて売上高の推移です。
売上高の推移
順調に売上高を伸ばしていることがわかります。
率で見たときには目を見張る成長率ですが、金額的には上場企業の中では小さいのでこれからどれだけスケールできるかが今後の課題と言えるのではないでしょうか。
次にキャッシュ・フロー計算書です。
キャッシュ・フロー計算書
こちらも2期連続で営業キャッシュがプラスですので経営状態は良好と言えそうです。
IPOにより潤沢な資金を調達できたので、これからより積極的な投資が行われ、規模の拡大が図られていくものと思われます。
PER/PBR
2021年4月13日現在、PER/PBRは以下の通りです。
PER 822.08倍
PBR 12.05倍
PERは800倍を超えていますが、上記の資料にあるとおり利益水準がまだまだ低いためであり、これだけをみて割高と判断するのは尚早と言えるでしょう。
PBRは12.05倍で、IPO直後で純資産が大きく膨らんだタイミングなのでこちらもこれだけを見て割高、あるいは、割安と判断するのは難しそうです。
月次業績指標
IRにて「月次業績指標」を公開している点も非常に好感が持てます。
ある意味自社製品及びサービスへの自信の表れとも受け取れます。
今後について
今後どれだけ規模の拡大が図れるかによるところが大きいと思いますが、決算説明資料や有報を見る限り決算内容は悪くなく、むしろ創業5年程度の会社でこの決算内容は非常に良好と言えるのではないでしょうか。
有報には、「優先的に対処すべき事業上の及び財務上の課題」の最上位に以下の記載があります。
組織がスケールできるかどうかには、この2項目は非常に重要なところであり、相関するところでもあるので注視したいところです。
現状は売上高が10億円に満たない企業ですが、これからうまくスケールしていくことができれば株価は大きく伸びていくものと予想します。
※独断と偏見による分析及び予想です。投資はくれぐれも自己責任でお願いします。