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消費税の総額表示について
消費税の総額表示
2021年4月1日から、商品の価格表示方法が消費税込みの金額、いわるゆ「総額表示」が義務化されます。
ここで不思議に思った人も多いはず。
というのも、「総額表示」は2004年4月1日に義務化されていたはず。
それから長らく「総額表示」が続いていたはずなの、いつから「総額表示」が義務じゃなくなったんだと。
消費税の総額表示の歴史
実は、これは消費税が8%、10%と段階的に引き上げられることが決定された際に、「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(消費税転嫁対策特別措置法)」の第10条に基づいて、特例として、現に表示する価格が税込み価格であると誤認されないための措置を講じていれば、税込み価格を表示することを要しない、とされました。
この法律は、2013年6月5日に成立し、同年10月1日施行されています。
つまり、2013年10月以降から「総額表示」は義務ではなくなっていたというわけです。
当初はもっとはやく「再」義務化されるはずだった
しかも、消費税10%への引き上げは当初2015年10月の予定でしたが、最終的に2019年10月まで引きのばれたため、上記の特別措置法の期限も2018年9月30日までだったのが2021年3月31日まで延長されました。
消費税10%への引き上げが当初の予定通り行われていれば、ここまで再義務化が遅くなることはなかったことがわかります。
そしてこれから
消費税が10%に引き上げられた2019年当時、前首相であった安倍さんは「10年間は消費税の増税は必要ない」と言っていましたが、コロナによって状況は一変したこともなり、さらなる消費税増税がそう遠くないうちに実現する可能性も出てきました。
その時にはまた消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のためと称して「総額表示」が解除されることもあるかもしれません。
場合によっては「総額表示」に変更するにあたって大がかりな作業が必要になる企業も少なくないと思われますので、中長期的な視点をもって対応することも必要かもしれません。