Contents
【書評】株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書
株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書
今回読んだのはこちらの「株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書/足立 武志」
投資に関しては、ある程度中長期の視点で投資を行っていて、現状はデイトレード等は行わない方針ですが、それでも基本的な株価のテクニカル分析を行えるに越したことはないし、無駄に高値掴みをしないためにもテクニカルに関する知識も付けておきたいと思っていたところこちらの本を発見しました。
実際に読んでみて非常に良書だと感じました。
株式投資をこれから始める人、あるいはテクニカルに関する勉強をしたことがない人は一読の価値があると思います。
投資中級者から上級者にとっては退屈な内容かもしれませんが、初心者にとってはわかりやすく基本的なところを中心に解説されていますし、後半では実戦形式でそれまでに学んだテクニカル知識を試すことができる内容になっています。
ここから先は、私が特に気になったポイントを中心に簡単に紹介・解説してみたいと思います。
上昇トレンドで買い、下降トレンドで売る
まず第一章では、「株価チャートのしくみを知ろう」というタイトルが付され、「チャート」「ローソク足」「移動平均線」「上/下ヒゲ」「ダマシ」等といった投資専門の用語の解説を元に、株価のトレンドを学べます。
上昇トレンドで買い、下降トレンドで売る、という基本中の基本であり、かつ、王道パターンも紹介されています。
また、なぜそうすべきなのか、といった解説もされているので、納得感をもって学ぶことができるようになっています。
「買いタイミング」「売りタイミング」
第二章、第三章では、事例としてのチャート、及び、実際のチャートを交えながら、「買いタイミング」「売りタイミング」をレクチャーしてくれます。
このあたりの情報は、中長期で投資をしている人にとっても非常に重要なポイントではないでしょうか。
第四章では、第二章、第三章からの延長線上でさらに深いレベルでのテクニカルに関する内容が解説されています。
少し難しく感じる内容でしたが、デイトレードや短期視点での投資をする場合には必ずおさえておきたい内容です。
決算・増資・IPO・バブル・リーマンショック
第五章では、決算発表後や増資時、IPO株に関する情報が網羅的に述べられています。
投資に関する知識がない人には少し難しい内容かもしれませんが、これから投資をずっとしていきたいと思っている人には非常に勉強になる内容です。
特にIPO、ベンチャー企業等への投資でテンガバー等を狙う場合、こういった企業は今後幾度も決算発表や増資などを繰り返していくわけですから、その都度チャートがどのような動きをしていくか知っておく必要があるでしょう。
また、リーマンショックや東日本大震災の時のような突発的にチャートが急落するシチュエーション、バブルが起こった時にどのような対応が推奨されるかについても解説があります。
現在のようにとりあえずお金を突っ込んでおけば利益が出るような状況では、こういった非常事態への対応は蔑ろにされがちですが、むしろこういった未曽有の事態に適切な対応がとれるかどうかが、長く投資を続けていく上で重要になるので、投資経験に関わらず初心に戻るという点でもおさえておきたいところでしょう。
実戦形式
最後に第六章、第七章では実際に上場企業のチャートを用いて、筆者ならどのように考え、どう対処したかといった解説や、クイズ形式でどのような対応が正解かといった実践的な内容となっています。
まだ投資をやってことがない人や初心者の方にとっては、実際にお金を入れて投資をする前の練習にも使えると思います。
最後に
テクニカル分析に絞ってここまで初心者にもわかるように解説された本というのは珍しいと思うので、投資関連本の中でも非常に有用な本ではないでしょうか。
この著者の作本では、ファンダメンタルに関する本の方が有名なようなのでこちらも読んでで、ご紹介したいと思います。