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最近読んだのが有栖川有栖氏の「スウェーデン館の謎」。
有栖川有栖の「作家アリス」シリーズを頭から読み始めてこれで5作目。
まだこのシリーズで26作ある内の5作目でしかないが、ここまでバラエティに富んだことができるなぁ、と感心してしまう。
ミステリーといえど、登場人物に感情の機微にどれだけ共感できるかどうか、というのは非常に大事な要素で、どれだけトリックが素晴らしいものであろうとそこが欠けてしまえば駄作となってしまう。
その点、今作は(今作も、か)終わってみれば各々の思いに触れた時、どれも理解できる気がしたし、だからこそ胸が痛くなった。
一方で、アリスと火村の人となりが見えてきているようで、まだまだその一部しか見えて来ないのがおもしろい。キャラクターは一貫しているのに隠された部分があり、読者の「わかりたい」欲求をうまく刺激してくる。
いつかシリーズ前作を読み切る前に飽きてしまう可能性もなくはないが、今のところそれはまだだいぶ先になりそうな気がしている。
海のある奈良に死す/有栖川有栖
推薦度:☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8/10)
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