書籍のこと

女と男 なぜわかりあえないのか/橘玲

最近読んだ本が橘玲氏の「女と男 なぜわかりあえないのか」。

この本は、男女の様々な違いを実験等の結果をもとに明らかにしてくれている。

これだけの性差がある中で数字合わせの男女平等にどれほどの意味があるのか、疑問を抱かずにはいられないだろう。

せっかくだから性的マイノリティについても言及があれば尚良かったが、読んでおいて損はないと思う。以下、感想。

 

最近ほんとうに男女平等やらMeTooやら声高に叫ばれているが、何をどうしたら男女平等な社会が実現するのか、具体的なことはほとんど言及されていないように思える。

上場企業の役員の男女比や国会議員の男女比なんかがよくトピックになるが、それを法律か何かで規制して男女半々にすることに本当に意味があるのだろうか、と思ったりする。

 

こうして男女平等の機運が高まったからなのか、男女差別うんぬんに関する書籍も増えたように思うが、そこでよく語られるのは男女のこれまでの役割とについてだ。

新人類の歴史だけでも20万年あり(アウストラロピテクスまで遡れば300~400万年前)、その間、ずっと男と女の役割は明確に区別され、人類が弱肉強食の世界で生存競争を勝ち抜けるように進化してきた。

それゆえ、男と女は遺伝子レベルでそれぞれの役割と全うするように進化してきており、異なる性質を持つ面が多々ある。例えば女は男に比べて言語能力が高かったり(男に比べて肉体的に弱く、集団の中で身を守り子育てをする必要があったため)、男の方が女よりも競争を好む(男が狩猟を担っていたことや、自分の遺伝子を残すために他の男の優位に立つ必要があった)、といった性質がある(と言われている。多くの実験がそれを証明しようとしているが、おそらくまだ断定はできていない)。

こういった男女の違いについては、すべてが明らかになっていないが、これを無視してうわべだけの男女平等を推し進めてもあまり意味がないことは少し考えればわかることだ。

ちみなに、上述したような男女の違いは遺伝子レベルで作用するものであるのか、ステレオタイプとして社会がそのように機能しているがために思い込みレベルで刷り込まれているものもある、という指摘もあることはよくよく吟味しなければならない。

 

男女が対立することなく、お互いが同じ方向に向かって性差を補いあう方にこの流れが進んでいくことを願う。