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最前線でしか見えない景色
現場でしか感じられないこと
会計や監査では、基準や規則を考える学者と現場の実務家の間で認識に大きな隔たりが生じることがあります。
特に昨今、基準が複雑化しており、実務サイドに不満がくすぶっていたりするわけですが、それはやはり現場にいるものにしかわからないことがあるからでしょう。
プロジェクトの推進における現場と管理職の軋轢も似たようなことで発生しがちです。
だからこそ、現場を中心とした仕事を生業とする者として、今もこれからもずっと現場感を大事にしたいと考えています。
現場で必要な力
長期的視点では10年後にはある程度の資産を構築し、あまり多くの仕事はしないつもりですが、それでもその時に現場の感覚は失わずにいるように、そしていつでも現場で仕事ができるように準備はしていたいものです。
現場においては、ロジックだけでは通用しません。
時間や人材のリソースは有限だし、締め切りも待ってくれません。
なにより、現場では利害関係者の「感情」をくみとって進めなければいけません。
歳を重ねるにつれわかることは、この「感情」を無視して進めることは絶対にできないということ。
全体最適を考え、いくら合理的であるかを説いたとしても、関与する人たちの「感情」を無視して進めようとすると、どこかで必ずほころびが生じます。
リソースを最適に配分し、締め切りに間に合わせるための取捨選択をし、そして利害関係者の利害を調整しなければプロジェクト(物事)は円滑に進むことはないのです。
最前線のポジショニング
会計はコストベネフィットの観点でベネフィット(ステークホルダーへの情報開示)がコスト(経理パーソンの労働)を上回らないと意味がないですし、プロジェクト管理はトップダウンで指示だけだし、いくら合理性を訴えてもそれだけでは現場は前に進みません。
こういった感覚は現場の最前線にいる程感覚が研ぎ澄まされるし、現場から離れればそれだけ感覚が鈍っていくでしょう(偉そうにしょうもない指示だけ出す管理職を誰もが一人や二人思いつくのではないでしょうか)。
であれば、現場感を失わないためにやはり現場に出続けることが一番です。
歳を重ねると体力も落ちてくるし、若い人に比べれば「作業」のスピードは落ちていきます。
しかし、「現場感」は経験とともに磨いていくことが可能です。
役職がかわり、立場がかわれば求められるスキルや役割もかわってきますが、現場で必要な力はいつまでも衰えさせることのないよう意識していたいものです。