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どんな組織にだって負の遺産はある
負の遺産とどう向き合うか
公認会計士になってからというもの、ありがたいことに多くの有名企業での仕事に関与させて頂いているのですが、どれだけ有名で立派な企業にも負の遺産はあるものです。
特に日本を代表するような企業においては、経理業務の要求水準も高いため高度な知識と経験が求められることもあり、得てして属人化しやすいものも多くあります。
属人化した業務はブラックボックスになりやすく、また大手企業は人材が流動的で(配置転換や転職等々)不十分な引継ぎや後任の知識・経験不足等により、特定の業務について誰もわからないという状況が生まれやすいです。
こうして負の遺産が築かれていきます。
こういった負の遺産が生じることで、あるいは生じるリスクが露見されることで、我々のような外部の専門家に仕事が発生するわけですが、こういった負の遺産の処理はそうたやすいものではありません。
会計の分野であれば公認会計士等の専門家が入り、調査することである程度のことは状況から推察して理解できるのですが、最終的にこれをルーティーン化させ、内製化しなければいけません。
でなければいつまでたっても外部に業務委託し続けることになってしまうのですが、これがまた一度外部の専門家に頼ると、頼り続けるだけに留まらずさらに一人増え、二人増え、といった様相にすらなり得てしまうのです。
負の遺産に終止符を打つために
では、負の遺産を途絶えさせるためにはどうすればいいでしょうか。
私は、適切なポジションに適切な人材を配置する、という当たり前のようなことが非常に重要だと考えています。
そのためには、社内で適切な人材を採用したり、あるいは異動・配置転換等が必要になるでしょう。
プロパー(社内)で適切な知識・経験を有している人を採用する(あるいは異動・配置転換)
簡単な話ではないことは重々承知していますが、これが意外と近道です。
大手企業であっても採用はできる限り控えたいという思惑は、特に経理職のような管理部門では感じますし、採用せずに済ますために一時的に外部専門家を利用していることは理解しています。
しかし、結果として、上述したようにいつまでたっても根本的な解決ができず外注し続けるという悪循環が生まれます。
特に外注先に指示を出したり、ミーティングをしたりする立場の人が業務内容をしっかり理解できていない場合、問題はいつまでも解決することはありません。
最終的な内製化の達成は、会社の人が業務全般を理解しないことには到達できません。
適材適所になっているか、ボリュームだけでなく、質的にも、過剰な負担を社員に強いていないか確認してみましょう。
社員を育てるために負荷を重めにすることは悪いことではないと思いますが、それにあたっては上司や同僚が十分にフォローしなければいけません。
外部委託者の立場からすれば、
仮に外部の専門家を利用するにしても、ある程度対等なレベルで議論できないことには負の遺産は途絶えません。
社内で理解できない部分が大きくなると、悪い言い方をすれば専門家の言いなりになるだけです。
優秀な人材を採用するにはある程度の支出が伴いますが、これをコストと捉えるか投資と捉えるかは経理部の成長にとって大きな違いを生むでしょう。
今日の毎日一新
ソバキチ
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